捨印

印鑑

日本の慣習

日本では、慣習として契約書、申込書や証書等を作成するときには、署名捺印を行いますが、これらの書類等の記載に誤りがあったときに訂正を行います。
この訂正を行う時に訂正印を捺印することになりますが、この訂正印の捺印に変えて書類の欄外の部分に捺印する行為を捨印と呼びます。

重要な書類等を交換する場合や提出した後に相手方において訂正することをあらかじめ承認する意思表示に捨印が使われることになります。
そのため書類等の書式によっては当初から捨印欄が用意されている場合があり、この場合には決められた場所に捺印することになります。

捨印のメリット

本来、重要書類を訂正する場合は、修正部分を2重線で引き正しい文字を書き、訂正印を捺印することになりますが、単なる文字の間違いや重要な文書ではない場合でも訂正印を用いなければ重要な書類等では修正することができないです。
その数が増える場合や訂正印を押すために時間を作る煩わしさをなくすために捨印を利用することになります。
そのため軽微な間違いや修正の場合には捨印を利用することで時間の節約と迅速な処理を行うメリットがあります。

捨印の問題

軽微な間違いに捨印を利用する場合には何ら問題なく契約等を進めることができます。
しかし、捨印の訂正はないや限度があらかじめ決められていないのが捨印になるので、重要事項を書き換えることも可能となってしまいます。

金銭の授受を行う書類の場合には金銭の金額の書き換えや重要事項の記載内容を変更することも捨印があれば可能となります。
そのため重要書類を相互に交換しない場合には、捨印を捺印することは大変危険な行為になります。
また、委任状に捨印を捺印することは白紙委任と同様の状態になるので、原則的に捨印を押さないように気をつける必要があります。

捨印はメリットのある訂正方法なので、相互に契約書等を交換している場合には、捨印もお互いに捺印しておくことで一方の書類を故意に書き換えて相手を不利な内容に変更してもお互いに契約書等を所有しているため整合性がなくなるため、このような書き換えは防ぐことができます。
しかし、相手が契約書を改ざんして第三者に提示し、悪用することを防ぐことができないので注意が必要です。

安全に捨印ができる場合

司法書士が行う不動産物件等の登記の申請を行うときには、司法書士に委任状を提出することになります。
この委任状には捨印を押すことが一般的になっています。

これは、司法書士が作成者書類や記載事項について、公文書である住民票や印鑑証明等の添付書類の内容と合致していることが求められるため、誤字脱字等による登記申請手続きに支障をきたすことがあるので、速やかな訂正が必要になるため捨印を利用することになります。

また、口座引き落としの提出書類や住宅ローンの契約書又は保険会社と契約を行う保険契約書についてはあらかじめ捨印を押す欄が設けられている場合があります。
しかし、捨印をこの場合でも必ず捺印しなければならないとは限らないので、相手に確認することが必要となります。